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A.哺乳類《41組63種》
樹木の名に使われている哺乳類は18種類あり、組数で見ると、多い方から、イヌ、ウシ、ウマ、ネコ、キツネ、トラ、ネズミ、サル、クマ、イノシシ、シカ、イタチ、コウモリ、ブタ、タヌキ、キリン、ウサギ、ヒツジの順に並ぶ。イヌが断然多く使われている。ウシ、
ウマ、ネコ、ネズミなど、身近な里の動物が上位を占め、キツネ、サル、クマなど山の動物が比較的下位に位置する。
A-1.イヌの付く花《46組65種》
イヌはすべて、役に立たないと言う意味で使われている。該当する植物は前月資料の「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-2.ウシの付く花《10組10種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-3.ウマの付く花《9組15種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-4.ネコの付く花《7組24種》
●草本《5組20種》
○ネコノシタ/猫の舌(キク科)葉の感触が猫の舌に似ていることによる
○ネコヤマヒゴタイ/猫山平江帯(キク科)
○ネコハギ/猫萩(マメ科)犬萩に対して付けられ、全体に黄褐色の毛が多いことによる。
○ネコノメソウ/猫の目草(ユキノシタ科)裂開した?果を、昼間の猫の目の閉じた瞳孔に例えたもの。他に、ムカゴネコノメ/零余子猫の目、チシマネコノメ/千島猫の目、ミチノクネコノメネコノメソウ/陸奥猫の目草、ホクリクネコノメソウ/北陸猫の目草、ボタンネコノメソウ/牡丹猫の目草、マルバネコノメ/丸葉猫の目、シロバナネコノメソウ/白花猫の目草、ハナネコノメ/花猫の目、キバナハナネコノメ/黄花花猫の目、コバンネコノメソウ/小判猫の目草、ツクシネコノメソウ/筑紫猫の目草、ツルネコノメソウ/蔓猫の目草、ヤマネコノメソウ/山猫の目草、エゾネコノメソウ/蝦夷猫の目草、タチネコノメソウ/立ち猫の目草、
○ネコジャラシ/猫じゃらし(イネ科)花穂で猫をじゃらすことによる。エノコログサの別名。
●木本《2組4種》
○ネコヤナギ/猫柳(ヤナギ科)ふっくらした花序をネコの尾に見立てたもの、他にヤマネコヤナギ(山猫柳)、オオネコヤナギ(大猫柳)=オオキツネヤナギ
○ネコノチチ/猫の乳(クロウメモドキ科)果実をネコの乳首に見立てた
A-5.キツネの付く花《7組12種》
●草本《6組9種》
○キツネアザミ/狐薊(キク科)花がアザミに似ているが、よく見るとかなり違うことによる。
○キツネノマゴ/狐の孫(キツネノマゴ科)
○キツネササゲ/狐?豆(マメ科)ノササゲの別名。
○キツネノボタン/狐の牡丹(キンポウゲ科)他に、ケキツネノボタン/毛狐の牡丹、ヤマキツネノボタン/山狐の牡丹
○キツネノカミソリ/狐の剃刀(ヒガンバナ科)他に、オオキツネノカミソリ/大狐の剃刀
○ キツネガヤ/狐茅(イネ科)
●木本《1組3種》
○キツネヤナギ/狐柳(ヤナギ科)花の苞に生えた鉄さび色の毛をキツネの毛の色に見立てたもの、他にサイゴクキツネヤナギ/西国狐柳、オオキツネヤナギ/大狐柳=オオネコヤナギ
A-6.トラの付く花《6組14種》
全て虎の尾と言う表現で使われている。該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-7.ネズミの付く花《6組10種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-8.サルの付く花《5組10種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-9.クマの付く花《4組15種》
●草本《1組8種》
○キッコウハグマ/亀甲白熊(キク科)他に、ホソバハグマ/細葉白熊、モミジハグマ/紅葉白熊、オクモミジハグマ/奥紅葉白熊、エンシュウハグマ/遠州白熊、カシワバジハグマ/柏葉白熊、クルマバハグマ/車葉白熊、オヤリハグマ/御槍白熊
●木本《3組7種》
○クマシデ/熊四手(カバノキ科)
○クマイチゴ/熊苺=エゾノクマイチゴ/蝦夷の熊苺(バラ科)クマの出そうなところに生えることから、或いはクマが食べることから
○クマヤナギ/熊柳(クロウメモドキ科)、他にオオクマヤナギ/大熊柳=ケクマヤナギ/毛熊柳、ミヤマクマヤナギ/深山熊柳、ヒメクマヤナギ/姫熊柳、ホソバクマヤナギ/細葉熊柳
A-10.イノシシの付く花《3組7種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-11.シカの付く花《3組4種》
●草本《2組3種》
○カノコソウ/鹿の子草(オミナエシ科)他に、ツルカノコソウ/蔓鹿の子草
○カノコユリ/鹿の子百合(ユリ科)花に鹿の子絞りのような乳頭状突起があることによる。
●木本《1組1種》
○カゴノキ/鹿子の木=カゴガシ(クスノキ科)
A-12.イタチの付く花《3組3種》
●草本《2組2種》
○イタチササゲ/鼬?豆(マメ科)後で黄褐色に変わる花をイタチの毛の色に例えたもの。
○イタチガヤ/鼬茅(イネ科)花序の形や色に由来する。
●木本《1組1種》
○イタチハギ/鼬萩(マメ科)
A-13.コウモリの付く花《2組11種》
●草本《1組10種》
○カニコウモリ/蟹蝙蝠(キク科)他に、イズカニコウモリ/伊豆蟹蝙蝠、ミヤマカニコウモリ/深山蟹蝙蝠、ミミコウモリ/耳蝙蝠、コモチミミコウモリ/子持ち耳蝙蝠、オオカニコウモリ/大蟹蝙蝠、オオバコウモリ/大葉蝙蝠、コウモリソウ/蝙蝠草、オクヤマコウモリ/奥山蝙蝠、モミジコウモリ/紅葉蝙蝠
●木本《1組1種》
○コウモリカズラ/蝙蝠葛(ツヅラフジ科)葉の形が蝙蝠に見立てている
A-14.ブタの付く花《2組4種》
●草本《2組4種》
○ブタクサ/豚草(キク科)英名hogweedを直訳したもの。他に、ブタクサモドキ/豚草擬き、オオブタクサ/大豚草
○ブタナ/豚菜(キク科)フランスの俗名(豚のサラダ)を直訳したもの
A-15.タヌキの付く花《1組3種》
●草本《1組3種》
○タヌキラン/狸蘭(カヤツリウサ科)雌小穂を狸の尾に見立てたもの。他に、コタヌキラン/小狸蘭、シマタヌキラン/島狸蘭
A-16.キリンの付く花《1組2種》
●草本《1組2種》
○アキノキリンソウ/秋の麒麟草(キク科)他に、セイタカアキノキリンソウ/背高秋の麒麟草=セイタカアワダチソウ
A-17.ウサギの付く花《1組2種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-18.ヒツジの付く花《1組1種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
A-0.岩湧山にある哺乳類の名の付く花《53種》
干支と共通する動物の名も含めています。
●草本《33種》
○イヌコウジュ/犬香儒(シソ科)
○イヌトウバナ/犬塔花(シソ科)
○イヌタデ/犬蓼(タデ科)
○イヌホオズキ/犬酸漿(ナス科)
○アメリカイヌホオズキ/亜米利加犬酸漿(ナス科)
○オオイヌノフグリ/大犬の陰嚢(ゴマノハグサ科)
○タチイヌノフグリ/立ち犬の陰嚢(ゴマノハグサ科)
○ウシタキソウ/牛滝草(アカバナ科)
○ウシハコベ/牛繁縷(ナデシコ科)
○ウマノアシガタ/馬の脚形(キンポウゲ科)
○ウマノミツバ/馬の三つ葉(セリ科)
○コマツナギ/駒繋ぎ(マメ科)
○ネコノメソウ/猫の目草(ユキノシタ科)
○コバンネコノメソウ/小判猫の目草
○ネコジャラシ/猫じゃらし(イネ科)エノコログサの別名
○キツネノマゴ/狐の孫(キツネノマゴ科)
○キツネササゲ/狐?豆(マメ科)ノササゲの別名
○ヤマキツネノボタン/山狐の牡丹(キンポウゲ科)
○キツネノカミソリ/狐の剃刀(ヒガンバナ科)
○キッコウハグマ/亀甲白熊(キク科)
○ツルカノコソウ/蔓鹿の子草(オミナエシ科)
○アキノキリンソウ/秋の麒麟草(キク科)
○セイタカアキノキリンソウ/背高秋の麒麟草(キク科)セイタカアワダチソウの別名
○オカトラノオ/岡虎の尾(サクラソウ科)
○ヒカゲイノコヅチ/日陰猪子槌(ヒユ科)
○ヒナタイノコヅチ/日向猪子槌(ヒユ科)
○エノコログサ/狗尾草(イネ科)
○ムラサキエノコロ/紫狗尾草(イネ科)
○キンエノコログサ/金狗尾草(イネ科)
○シシウド/猪独活(セリ科)
●木本《20種》
○イヌシデ/犬四手(カバノキ科)
○イヌブナ/犬椈(ブナ科)
○ イヌザクラ/犬桜(バラ科)
○ ハネミノイヌエンジュ/翅実犬槐(マメ科)
○ イヌザンショウ/犬山椒(ミカン科)
○ イヌツゲ/犬黄楊(モチノキ科)
○ イヌガンピ/犬雁皮=コガンピ(ジンチョウゲ科)
○ イヌガヤ/犬榧(イヌガヤ科)
○サルナシ/猿梨(マタタビ科)
○ エンコウカエデ/猿猴楓
○クマイチゴ/熊苺(バラ科)
○ クマヤナギ/熊柳(クロウメモドキ科)
○ ウシゴロシ/牛殺し=カマツカ(バラ科)
○ ウシカバ/牛樺?=クロソヨゴ(モチノキ科)
○ ネズミモチ/鼠糯(モクセイ科)
○ アセビ/馬酔木(ツツジ科)
○ マテバシイ/馬刀椎(ブナ科)
○サイゴクキツネヤナギ/西国狐柳(ヤナギ科)
○カゴノキ/鹿子の木(クスノキ科)
○イタチハギ/鼬萩(マメ科)
B.鳥 類《50組97種》
名が付けられた鳥類は15種である。組数でみると、スズメ、カラス、トリ、チドリ、カモメ、ヒヨドリ、サギ、カモ、ツル、キジ、ホトトギス、ウグイス、トキ、タカ、ツバメの順で多い。スズメ、カラスが多いのは里の鳥として人に親しまれていると考えられる。ほぼ絶滅のトキが入っているのもかつてはありふれた存在であったことを示している。草本に付けられることが多い。
B-1.スズメの付く花《10組18種》
小さいことの意味で使われている。
●草本《10組18種》
○スズメウリ/雀瓜(ウリ科)果実がカラスウリより小さいことから付けられた。
○スズメノエンドウ/雀の豌豆(マメ科)カラスノエンドウより小型なので、カラスに対してスズメを当てたもの。
○スズメガヤ/雀茅(イネ科)花穂や小穂が小さいのでスズメの名が付いた。他に、コスズメガヤ/小雀茅、シダレスズメガヤ/枝垂れ雀茅。
○スズメノチャヒキ/雀の茶挽き(イネ科)他に、ヒゲナガスズメノチャヒキ/髭長雀の茶挽き、オオスズメノチャヒキ/大雀の茶挽き。
○スズメノヤリ/雀の槍(イネ科)他に、ヤマスズメノヤリ/山雀の槍。
○スズメノアワ/雀の粟(イネ科)ナルコビエの別名。
○スズメカルガヤ/雀刈る萱(イネ科)オガルガヤの別名。
○スズメノカタビラ/雀の帷子(イネ科)
○スズメノヒエ/雀の稗(イネ科)他に、シマスズメノヒエ/島雀の稗、キシュウスズメノヒエ/紀州雀の稗、ヤマスズメノヒエ/山雀の稗。
○スズメノテッポウ/雀の鉄砲(イネ科)
B-2.カラスの付く花《7組12種》
抽象的には、大きいことの意味で使われている。
●草本《5組8種》
○カラスノゴマ/烏の胡麻(シナノキ科)種子をカラスの食べる胡麻に例えたもの。
○カラスノエンドウ/烏の豌豆(マメ科)豆果が黒く熟すのをカラスに例えたもの。
○カラスウリ/烏瓜(ウリ科)、他に、キカラスウリ/黄烏瓜、モミジカラスウリ/紅葉烏瓜。
○カラスビシャク/烏柄杓(サトイモ科)。
○カラスムギ/烏麦(イネ科)食用にならず、カラスが食べる麦の意味。他に、マカラスムギ/真烏麦。
●木本《2組4種》
○カラスザンショウ/烏山椒(ミカン科)全体が大きく利用価値がないことから、他にヤクシマカラスザンショウ/屋久島烏山椒、コカラスザンショウ/小烏山椒。
○カラスシキミ/烏樒(ジンチョウゲ科)
B-3.トリの付く花《5組13種》
全て「鳥」である。該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
B-4.チドリの付く花《5組9種》
●草本《5組9種》
○キソチドリ/木曽千鳥(ラン科)、他に、ガッサンチドリ/月山千鳥、ヤクシマチドリ/屋久島千鳥、ミズチドリ/水千鳥花(別名ジャコウチドリ/麝香千鳥)、ホソバノキソチドリ/細葉の木曽千鳥。
○アオチドリ/青千鳥(ラン科)緑色の花を千鳥に見立てたもの。
○コアニチドリ/小阿仁千鳥(ラン科)、別名ネムロチドリ/根室千鳥。
○ノビネチドリ/延び根千鳥(ラン科)。
○ニョホウチドリ/女峰千鳥(ラン科)。
B-5.カモメの付く花《3組5種》
●草本《3組5種》
○カモメヅル/鴎蔓(カガイモ科)他に、コバノカモメヅル/小葉の鴎蔓、シロバナカモメヅル/白花鴎蔓。
○オオカモメヅル/大鴎蔓(カガイモ科)。
○カモメラン/鴎蘭(ラン科)花の姿に因む。別名カモメソウ/鴎草。
B-6.ヒヨドリの付く花《2組6種》
●草本《2組6種》
○ヒヨドリバナ/鵯花(キク科)ヒヨドリがなく頃、花が咲いたことからこの名が付いた。他に、ヨツバヒヨドリ/四つ葉鵯、ヤマヒヨドリ/山鵯、サワヒヨドリ/沢鵯、サケバヒヨドリバナ/裂け葉鵯。
○ヒヨドリジョウゴ/鵯上戸(ナス科)ヒヨドリがこの赤い実を好んで食べることによる。
B-7.サギの付く花《2組5種》
●草本《2組5種》
○サギソウ/鷺草(ラン科)他に、ヤマサギソウ/山鷺草、オオヤマサギソウ/大山鷺草、ツレサギソウ/連れ鷺草。
○ダイサギソウ/大鷺草(ラン科)。
B-8.カモの付く花《2組3種》
●草本《2組3種》
○カモガヤ/鴨茅(イネ科)。
○カモノハシ/鴨の嘴(イネ科)他に、ケカモノハシ/毛鴨の嘴。
B-9.ツルの付く花《2組3種》
●草本《2組3種》
○マイヅルテンナンショウ/舞鶴天南星(サトイモ科)花と葉をツルの舞う姿に例えたもの。
○マイヅルソウ/舞鶴草(ユリ科)葉を2枚広げた姿をツルの舞う姿に例えたもの。他に、ヒメマイヅルソウ/姫舞鶴草。
B-10.キジの付く花《2組3種》
●草本《2組3種》
○キジムシロ/雉蓆(バラ科)丸く広がった株をキジの座るむしろに見立てたもの。
○キジカクシ/雉隠し(ユリ科)。
B-11.ホトトギスの付く花《1組13種》
●草本《1組13種》
○ ホトトギス/杜鵑草(ユリ科)他に、ヤマホトトギス/山杜鵑草、ヤマジノホトトギス/山路の杜鵑草、タマガワホトトギス/玉川杜鵑草、ジョウロウホトトギス/上臈杜鵑草、サガミジョウロウホトトギス/相模上臈杜鵑草、キイジョウロウホトトギス/黄上臈杜鵑草、チャボホトトギス/矮鶏杜鵑草、アナノツキヌキホトトギス/黄花の突き抜き杜鵑草、タカクマホトトギス/高隈杜鵑草、セトウチホトトギス/瀬戸内杜鵑草。
B-12.ウグイスの付く花《1組3種》
●木本《1組3種》
○ウグイスカグラ/鴬神楽(スイカズラ科)他に、ヤマウグイスカグラ/山鴬神楽、ミヤマウグイスカグラ/深山鴬神楽
B-13.トキの付く花《1組2種》
●草本《1組2種》
○トキソウ/朱鷺草(ラン科)花の色による。他に、ヤマトキソウ/や真朱鷺草。
B-14.タカの付く花《1組1種》
●木本《1組1種》
○タカノツメ/鷹の爪(ウコギ科)
B-15.ツバメの付く花《1組1種》
●草本《1組1種》
○ツバメオモト/燕万年青(ユリ科)一説によると、濃藍色の液果をツバメの頭に見立てたもの。
B-0.岩湧山にある鳥類の名の付く花《13種》
●木本《9種》
○ヤマスズメノヤリ/山雀の槍(イネ科)
○スズメカルガヤ/雀刈る萱(イネ科)オガルガヤの別名
○カラスノゴマ/烏の胡麻(シナノキ科)
○モミジカラスウリ/紅葉烏瓜(ウリ科)
○ヤマジノホトトギス/山路の杜鵑草(ユリ科)
○セトウチホトトギス/瀬戸内杜鵑草(ユリ科)
○ヒヨドリバナ/鵯花(キク科)
○サワヒヨドリ/沢鵯(キク科)
○ヒヨドリジョウゴ/鵯上戸(ナス科)
●木本《4種》
○ コトリトマラズ/小鳥留まらず=メギ(メギ科)
○カラスザンショウ/烏山椒(ミカン科)
○ヤマウグイスカグラ/山鴬神楽(スイカズラ科)
○タカノツメ/鷹の爪(ウコギ科)
C.爬虫類・両生類《6組16種》
ヘビ、マムシ、カメが使われている。
C-1.ヘビの付く花《3組10種》
該当する植物は「干支の名が付く植物」を見て下さい。
C-2.カメの付く花《2組2種》
●草本《2組2種》
○キッコウハグマ/亀甲白熊(キク科)。
○タチカメバソウ/立ち亀葉草(ムラサキ科)葉の形が亀の甲を思わせることから。
○カメバヒキオコシ/亀葉引き起こし(シソ科)。
C-3.マムシの付く花《1組4種》
●草本《1組4種》
○マムシグサ/蝮草(サトイモ科)偽茎の斑模様を連想したもの。他に、オオマムシグサ/大蝮草、ムラサキマムシグサ/紫蝮草、ユモトマムシグサ/湯元蝮草。
C-0.岩湧山にある爬虫類・両生類の名の付く花《5種》
○ジャノヒゲ・リュウノヒゲ/蛇の髭・竜の髭(ユリ科)
○ヘビイチゴ/蛇苺(バラ科)
○ヤビヘビイチゴ/藪蛇苺(バラ科)
○マムシグサ/蝮草(サトイモ科)
○キッコウハグマ/亀甲白熊(キク科)
D.昆虫類等《2組6種》
名が入っている昆虫類・環形動物等11種である。〜ホタルブクロを一つにすると、ホタル、アリ、トンボ、スズムシ、シラミ、ノミ、ミミズ、コロギ、ハチ、ハエ、クモの順に多い。
D-1.ホタルの付く花《4組8種》
●草本《4組8種》
○ホタルブクロ/蛍袋(キキョウ科)ぶら下がって咲く花を提灯に見立てて、火垂(提灯の古語)を当てたという説と、子供が花の中にホタルを入れて遊んだという説がある。他に、シマホタルブクロ/島蛍袋、ヤマホタルブクロ/山蛍袋。
○ホタルカズラ/蛍蔓(ムラサキ科)花の色をホタルの光に例えたもの。
○ホタルサイコ/蛍柴胡(セリ科)。
○ホタルイ/蛍藺(イネ科)ホタルが居そうな場所に生えるからと言う。他に、イヌホタルイ/犬蛍藺、ヒメホタルイ/姫蛍藺。
D-2.アリの付く花《4組7種》
●草本《3組3種》
○アリドオシラン/蟻通し蘭(ラン科)。
○アリノトウグサ/蟻の塔草(アリノトウグサ科)小さな花をアリに。草全体を蟻の塔(蟻塚)に見立てたもの。
○ツルアリドオシ/蔓蟻通し(アカネ科)。
●木本《1組4種》
○アリドオシ/蔓蟻通し(アカネ科)、他にオオアリドオシ/大蔓蟻通し、ヒメアリドオシ/姫蔓蟻通し、オオシマアリドオシ/大島蔓蟻通し。
D-3.スズムシの付く花《2組3種》
●草本《2組3種》
○スズムシバナ/鈴虫花(キツネノマゴ科)。
○スズムムシソウ/鈴虫草(ラン科)花をスズムシに見立てたもの。他に、セイタカスズムムシソウ/背高鈴虫草。
D-4.シラミの付く花《2組2種》
●草本《2組2種》
○ヤブジラミ/薮虱(セリ科)薮に生え、刺毛のある果実が衣類にくっつくのをシラミに例えたもの。
○ナガジラミ/長虱(セリ科)ヤブニンジンの別名。果実が細長く、ヤブジラミのように刺があることによる。
D-5.ノミの付く花《2組2種》
●草本《2組2種》
○ノミノフスマ/蚤の衾(ナデシコ科)衾は掛け布団の意味。
○ノミノツヅリ/蚤の綴り(ナデシコ科)花をノミの綴り(粗末な衣)に見立てたもの。
D-6.トンボの付く花《1組6種》
●草本《1組6種》
○トンボソウ/蜻草(ラン科)唇弁をトンボに見立てたもの。他に、コバノトンボソウ/小葉の蜻草、オオバノトンボソウ/大葉の蜻草、ミズトンボ/水蜻、オオミズトンボ/大水蜻(別名サワトンボ/沢蜻)、ムカゴトンボ/零余子蜻。
D-7.ミミズの付く花《1組2種》
●木本《1組2種》
○ミミズバイ/蚯蚓灰=ミミズノマクラ=ミミズベリ(ハイノキ科)枝に果実が並ぶ様子をミミズが頭を並べているようにたとえたことから、他にヒロハノミミズバイ/広葉の蚯蚓灰
D-8.コオロギの付く花《1組1種》
●草本《1組1種》
○コオロギラン/蟋蟀蘭(ラン科)唇弁をコオロギの羽に見立てたもの。
D-9.ハチの付く花《1組1種》
●草本《1組1種》
○ジガバチソウ/似蜂草(ラン科)花姿をハチに見立てたもの。
D-10.ハエの付く花《1組1種》
●草本の付く花《1組1種》
○ハエドクソウ/蝿毒草(ハエドクソウ科)根を煮詰めた汁で蝿取り紙を作ったことによる。
D-11.クモの付く花《1組1種》
●草本《1組1種》
○クモラン/蜘蛛蘭(ラン科)
D-0.岩湧山にある昆虫類等の名の付く花《8種》
●草本《7種》
○ホタルブクロ/蛍袋(キキョウ科)
○オオバノトンボソウ/大葉の蜻草(ラン科)
○アリノトウグサ/蟻の塔草(アリノトウグサ科)
○ツルアリドオシ/蔓蟻通し(アカネ科)
○ノミノフスマ/蚤の衾(ナデシコ科)
○ハエドクソウ/蝿毒草(ハエドクソウ科)
○ジガバチソウ/似蜂草(ラン科)
●木本《1種》
○オオアリドオシ/大蔓蟻通し
E.魚類・甲殻類等《1組1種》
名が入っている魚類、甲殻類、軟体動物は、6種である。組数で言うと、エビ、カニ、サバ、ドジョウ、ウナギ、タコの順に多い。殆どが草本である。
E-1.エビの付く花《3組7種》
●草本《2組6種》
○エビネ/海老根(ユリ科)地中に球状の偽鱗茎があり、これが横に連なっている形を海老の尾に見立てたもの。他に、アカエビネ/赤海老根、ダイダイエビネ/橙海老根、キエビネ/黄海老根、ナツエビネ/夏海老根、ササエビネ/笹海老根(コケイランの別名)。
○エビヅル/海老蔓(ブドウ科)若い葉の裏面に白色〜淡紅褐色の毛が密生したところをエビの色に見立てたもの。他にキクバエビヅル/菊葉海老蔓。
●木本《1種1種》
○エビガライチゴ/海老殻苺(バラ科)腺毛の様子をエビに見立てたもの
E-2.カニの付く花《2組5種》
●草本《2組5種》
○カニコウモリ/蟹蝙蝠(キク科)他に、イズカニコウモリ/伊豆蟹蝙蝠、ミヤマカニコウモリ/深山蟹蝙蝠、オオカニコウモリ/大蟹蝙蝠。
○カニコツリグサ/蟹釣り草(イネ科)花穂の付いた茎で、子供がサワガニを釣って遊んだことによる。
E-3.サバの付く花《2組3種》
●草本《2組3種》
○サバノオ/鯖の尾(キンポウゲ科)。2個の果実が水平に広がって、サバの尾のようになることから。他に、サイゴクサバノオ/西国鯖の尾、トウゴクサバノオ/東国鯖の尾。
○ツルアリドオシ/蔓蟻通し(アカネ科)。
E-4.ドジョウの付く花《1組3種》
●草本《1組3種》
○ドジョウツナギ/泥鰌繋ぎ(イネ科)ドジョウが居そうな所に映えていることからによる。他に、ヒロハノドジョウツナギ/広葉の泥鰌繋ぎ、ホソバノドジョウツナギ/細葉の泥鰌繋ぎ。
E-5.ウナギの付く花《1組2種》
●草本《1組2種》
○アキノウナギツカミ/秋の鰻掴み(タデ科)茎に下向きの刺があり、ウナギでも掴めるという意味からつけられた。他に、ナガバノウナギツカミ/長葉の鰻掴み。
E-6.タコの付く花《1組1種》
●草本《1組1種》
○タコノアシ/蛸の足(ベンケイソウ科)花や実がびっしり並んだ花序を、吸盤の多いタコの足に見立てたもの。
E-0.岩湧山にある魚類、甲殻類、軟体動物の名の付く花《2種》
●草本《1種》
○ エビガライチゴ/海老殻苺(バラ科)
●木本《1種》
○トウゴクサバノオ/東国鯖の尾(キンポウゲ科)
F.まとめ
生き物(人や植物自身を除く)の名が付く植物は、図鑑に掲載されている約3,700種の内、約1割の377種ある。草と木では草の方がよく動物の名が使われている。草の方が動物と近い大きさのため、木より身近なためと考えられる。
分類別では哺乳類が118組と過半を占め、続いて鳥類45組と多く、昆虫類等が20組、魚類等が10組、爬虫類等が7組となっている。哺乳類が圧倒的に多いのは人と近く、馴染みがあるということであろう。
分類別ではイヌ46組、スズメ10組、ウシ10組、ウマ9組、ネコ7組、カラス7組、キツネ7組、トリ6組、サル6組、ネズミ6組の順となっている。ずば抜けて多いイヌ、ネコなどの愛玩動物は当然として、ウシ、ウマなどの家畜、スズメ、ネズミ、カラスなど農耕生活と関わりが深い動物が使われている。干支となっている動物は比較的、上位にある。鳥類や昆虫類等はその小ささから木より草に名が多く付けられている。
分類 | 動物名 | 野草 | 樹木 | 植物 | 備考 | |||
(組) | (種類) | (組) | (種類) | (組) | (種類) | |||
哺乳類 | イヌ | 26 | 39 | 20 | 26 | 46 | 65 | 干支 |
ウシ | 7 | 9 | 3 | 3 | 10 | 12 | 干支 | |
ウマ | 7 | 13 | 2 | 2 | 9 | 15 | 干支 | |
ネコ | 5 | 20 | 2 | 4 | 7 | 24 | ||
キツネ | 6 | 9 | 1 | 3 | 7 | 12 | ||
トラ | 6 | 14 | 0 | 0 | 6 | 14 | 干支 | |
サル | 1 | 1 | 5 | 10 | 6 | 11 | 干支 | |
ネズミ | 4 | 7 | 2 | 3 | 6 | 10 | 干支 | |
クマ | 1 | 8 | 3 | 7 | 4 | 15 | ||
イノシシ | 3 | 7 | 0 | 0 | 3 | 7 | 干支 | |
シカ | 2 | 3 | 1 | 1 | 3 | 4 | ||
イタチ | 2 | 2 | 1 | 1 | 3 | 3 | ||
コウモリ | 1 | 10 | 1 | 1 | 2 | 11 | ||
ブタ | 2 | 4 | 0 | 0 | 2 | 4 | ||
タヌキ | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 3 | ||
キリン | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | ||
ウサギ | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 干支 | |
ヒツジ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 干支 | |
計 | 77 | 154 | 41 | 61 | 118 | 215 | ||
鳥類 | スズメ | 10 | 18 | 0 | 0 | 10 | 18 | |
カラス | 5 | 8 | 2 | 4 | 7 | 12 | ||
トリ | 4 | 12 | 2 | 4 | 6 | 16 | 鳥 | |
チドリ | 5 | 9 | 0 | 0 | 5 | 9 | ||
カモメ | 3 | 5 | 0 | 0 | 3 | 5 | ||
ヒヨドリ | 2 | 6 | 0 | 0 | 2 | 6 | ||
サギ | 2 | 5 | 0 | 0 | 2 | 5 | ||
カモ | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | ||
ツル | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | ||
キジ | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | ||
ホトトギス | 1 | 13 | 0 | 0 | 1 | 13 | ||
ウグイス | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 | 3 | ||
トキ | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | ||
タカ | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
ツバメ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
計 | 39 | 87 | 6 | 12 | 45 | 99 | ||
爬虫類等 | ヘビ | 2 | 6 | 1 | 4 | 3 | 10 | 干支 |
カメ | 3 | 3 | 0 | 0 | 3 | 3 | ||
マムシ | 1 | 4 | 0 | 0 | 1 | 4 | ||
計 | 6 | 13 | 1 | 4 | 7 | 17 | ||
昆虫類等 | ホタル | 4 | 8 | 0 | 0 | 4 | 8 | |
アリ | 3 | 3 | 1 | 4 | 4 | 7 | ||
スズムシ | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | ||
ノミ | 2 | 2 | 0 | 0 | 2 | 2 | ||
シラミ | 2 | 2 | 0 | 0 | 2 | 2 | ||
トンボ | 1 | 6 | 0 | 0 | 1 | 6 | ||
ミミズ | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 2 | ||
ハチ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
ハエ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
クモ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
コオロギ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
計 | 18 | 28 | 2 | 6 | 20 | 34 | ||
魚類等 | エビ | 2 | 6 | 1 | 1 | 3 | 7 | |
カニ | 2 | 5 | 0 | 0 | 2 | 5 | ||
サバ | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | ||
ドジョウ | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 3 | ||
ウナギ | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | ||
タコ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | ||
計 | 9 | 20 | 1 | 1 | 10 | 21 | ||
合計 | 149 | 302 | 51 | 84 | 200 | 386 | ||
総掲載数 | − | 2450 | − | 1250 | − | 3700 |
(上田泰二郎)