05.12.19
干支の名が付く植物
03.01.17
動物の名が付く植物

<干支の名が付く植物> 05.12.19

 2000年1月に『干支の名が付く野草』を特集しました。今回、それに樹木をあわせました。

■ヒツジ
 今年は未(ヒツジ)年、ヒツジの名がある植物は、未の刻に開花するというヒツジグサ/未草・睡蓮(スイレン科)がある。
 「金剛山の植物に親しむ会」の桝谷さんの覚書メモによると、「ヒツジという名のついた植物が日本に少ないのは、日本には羊がいなかったせいでしょう。ヒツジグサは未の刻に満開になるから名づけられた名前で羊とは関係ありません。このヒツジグサも未の刻に咲くのは日本の純粋種で、植物園や園芸種では外国産のスイレンとの交雑で開花時間がバラバラだそうです。漢名で羊がつく植物は羊乳(ツルニンジン)、九子羊(ホドイモ)、淫羊かく(かくは和漢字がない)(イカリソウ)、羊帯來(オナモミ)、羊屎菜(メナモミ)、白毛羊胡草(ワタスゲ)など。」
 日本とヒツジの関わりを補足すると、ヒツジが日本に入ったのはラクダなどと一緒に百済から貢ぎ物として送られた推古朝で、その後少しずつ飼育されていたそうです。食用になったのは江戸綱吉の頃、羊毛をとるための牧羊は明治以降で、一般の食用もこの頃からだそうです。ヒツジが広く一般に知れ渡るようになった歴史は浅く、馴染みのない動物だったので植物に名が付けられなかったのでしょう。


■十干十二支
 10種類の幹と十二種類の枝の意味である。中国の神話時代からの習俗で、黄帝(伝説時代の帝王で、音楽・文字などの物事を創始したという)の時に初めてこの組み合わせが行われたという。前漢時代では日次を記していただけだが、後漢時代に年・日・時の順次を記すようになり、五行との配合でもって年次を表記し、その巡り合わせによって人事の吉凶禍福・正否得失などを判断し、諸種の迷信や習俗を生じるようになった。十干を五行に割り当てると、五行を兄(え)と弟(おと)に分けている。このため、「えと」を干支と書いている。
○十干………甲コウ・乙オツ・丙ヘイ・丁テイ・戌ボ・己キ・庚コウ・辛シン・壬ジン・葵キ
○五行………木キ・火ヒ・土ツチ・金カネ・水ミズ
○十二支……子シ・丑チュウ・寅イン・卯ボウ・辰シン・巳シ・午ゴ・未ビ・申シン・酉ユウ・戌ジュツ・亥ガイ

 我が国では十二支を十二種類の生類(十二生肖という)に見立て、この生肖の名前で読んでいる。
○12種の生類…鼠・牛・虎・兎・竜・蛇ミズチ・馬・羊・猴サル・鶏・犬・猪
○ 十二支……子ネ・丑ウシ・寅トラ・卯ウ・辰タツ・巳ミ・午ウマ・未ヒツジ・申サル・酉トリ・戌イヌ・亥イ

 この十干と十二支を、一干一支ずつを順次組み合わせる、これに五行の兄と弟とに分けて一組みずつ割り当てる。60干支となり、60配合で一巡し、そのため61年目を還暦という。十二支は五行と共に、方位・季節・色目にも割り当てて使われている。

■干支の付く名の植物
 山と渓谷社「野に咲く花」「山に咲く花」「樹に咲く花1、2,3」を参考にしました。〜エノコログサなど同属から派生したものをすべて1組とする。

1.ネズミ(鼠)の付く花《6組10種》
 頭に冠して、鼠のように普通に見られるという意味で使われている。
●草本《4組7種》
○ネズミガヤ/鼠茅(イネ科)山野に普通に生える。他にオオネズミガヤ/大鼠茅。
○ネズミムギ/鼠麦(イネ科)ユーラシア原産で、各地に野生化。他にホソネズミムギ/細鼠麦。
○ネズミノオ/鼠の尾(イネ科)細い花序を鼠の尾に見立てたもの。他にムラサキネズミノオ/紫鼠の尾
○ネズミノシッポ/鼠の尻尾(イネ科)細い花序を鼠の尾に見立てたもの。 ナギナタガヤの別名。

●木本《2組3種》
○ ネズミモチ/鼠糯(モクセイ科)果実の形や色が鼠の糞に似ていることから、他にトウネズミモチ/唐鼠糯。
○ ネズミサシ/鼠刺し=ネズ(ヒノキ科)葉が堅く鋭く尖っているため、ネズミの通り道に置いておくと近寄れないことから

2.ウシ(牛)の付く花《10組12種》
 牛のように大きいという意味で使われている。
●草本《7組9種》
○ウシタキソウ/牛滝草(アカバナ科)
○ウシハコベ/牛繁縷(ナデシコ科)ハコベに比べ全体に大きいことを牛に例えたもの。
○ウシノヒタイ/牛の額(タデ科)葉の形が牛の顔を思わせることによる。 ミゾソバの別名。
○ウシクグ/牛莎草(カヤツリグサ科)
○ウシクサ/牛草(イネ科)
○ウシノシッペイ/牛の竹篦(イネ科)牛追いの鞭に似ているため。
○ヒロハウシノケグサ/広葉牛の毛草(イネ科)牧草や緑化用に輸入。他にオニウシノケグサ/鬼牛の毛草、オオウシノケグサ/大牛の毛草。

●木本《3組3種》
○ウシブドウ/牛葡萄=マツブサ(マツブサ科)
○ウシゴロシ/牛殺し=カマツカ(バラ科)ウシの鼻輪に使ったことから
○ウシカバ/牛樺?=クロソヨゴ(モチノキ科)

3.トラ(虎)の付く花《14種》
 花序や花穂を虎の尾に例えている。科はいろいろあり。
●草本《6組14種》
○オカトラノオ/岡虎の尾(サクラソウ科)花序を虎の尾に見立てたもの。他にノジトラノオ/野路虎の尾、ヌマトラノオ/沼虎の尾、ヤナギ トラノオ/柳虎の尾。
○ヒロハトラノオ/広葉虎の尾(ゴマノハグサ科)花序を虎の尾に見立てたもの。他にルリトラノオ/瑠璃虎の尾、ヤマルリトラノオ/山瑠璃虎の尾、ヒメトラノオ/姫虎の尾、ホソバヒメトラノオ/細葉姫虎の尾。
○トラノオスズカケ/虎の尾鈴懸け(ゴマノハグサ科)
○ハルトラノオ/春虎の尾(タデ科)、他にイブキトラノオ/伊吹虎の尾
○ミズトラノオ/水虎の尾(シソ科)花穂を虎の尾に見立てたもの。
○トラキチラン/虎吉蘭(ラン科)虎吉は最初の発見者名。

4.ウ(兎)の付く花《1組2種》
●草本《1組2種》
○ウサギギク/兔菊(キク科)、他にエゾウサギギク/蝦夷兔菊

5.タツ(竜)の付く花《6種》
●草本《5組6種》
○ギンリョウソウ/銀竜草(イチヤクソウ科)下向きに付く花と鱗状の鱗片葉に包まれた姿を竜に見立てたもの。他にギンリョウソウモドキ/銀竜草擬き
○タツノツメガヤ/竜の爪茅(イネ科)花序を竜の爪に見立てる。
○タツノヒゲ/龍の髭(イネ科)細い花序の枝を竜の髭に見立てる。
○リュウノヒゲ/竜の髭(ユリ科)細い葉を竜の髭に例えたもの。ジャノヒゲの別名。
○リュウノウギク/竜脳菊(キク科)竜脳とは、樟脳に似た香料。

6.ミ(蛇)の付く花《3組10種》
●草本《2組6種》
○ヘビイチゴ/蛇苺(バラ科)蛇が食べる苺の意味。他にヤビヘビイチゴ/藪蛇苺、オヘビイチゴ/雄蛇苺、シロバナノヘビイチゴ/白花の蛇苺
○ジャノヒゲ/蛇の髭(ユリ科)細い葉を蛇の髭に例えたもの。他にオオバジャノヒゲ/大葉蛇の髭

●木本《1組4種》
○ヘビノボラズ/蛇登らず(メギ科)枝に鋭い刺があり、蛇も登れないと言う意味。他に、ミヤマヘビノボラズ/深山蛇登らず=オオバメギ、ヒロハヘビノボラズ/広葉蛇登らず、アカジクヘビノボラズ/赤軸蛇登らず

7.ウマ(馬)の付く花《9組15種》
●草本《7組13種》
○ コマツナギ/駒繋ぎ(マメ科)茎は細いが、馬をつなげるほど丈夫なことによる。
○ウマゴヤシ/馬肥やし(マメ科)優れた飼料になることによる。他にムラサキウマゴヤシ/紫馬肥やし、コウマゴヤシ/小馬肥やし、コメツブ ウマゴヤシ/米粒馬肥やし
○ウマノアシガタ/馬の脚形(キンポウゲ科)根生葉を馬の蹄に見立てたと言われる。他にヒメウマノアシガタ/姫馬の脚形。
○ウマノスズクサ/馬の鈴草(ウマノスズクサ科)果実が馬の首に付ける鈴に似ているから。他にオオバウマノスズクサ/大葉馬の鈴草。
○ウマノミツバ/馬の三つ葉(セリ科)他にクロバナウマノミツバ/黒花馬の三つ葉。
○ウマスゲ/馬菅(カヤツリグサ科)大型のスゲのために付けられた。
○ウマノチャヒキ/馬の茶挽き(イネ科)チャヒキグサはカラスムギの別名。他にメウマノチャヒキ/雌馬の茶挽き

●木本《2組2種》
○ アセビ/馬酔木(ツツジ科)=アシビ
○ マテバシイ/馬刀椎(ブナ科)

8.ヒツジ(羊)の付く花《1種》
●草本《1組1種》
○ヒツジグサ/未草(スイレン科)未の刻に開花するという。

9.サル(猿)の付く花《6組11種》
●草本《1組1種》
○サルメンエビネ/猿面海老根(ラン科)赤く皺のある唇弁を猿の顔に見立てた。

●木本《5組10種》
○サルナシ/猿梨(マタタビ科)、他にシマサルナシ/島猿梨、シナサルナシ/支那猿梨=キウイフルーツ。
○ エンコウカエデ/猿猴楓(カエデ科)細長く裂けた葉を猿の手に見立てたもの、他にウラゲエンコウカエデ/裏毛猿猴楓。
○ サルスベリ/百日紅(ミソハギ科)木肌が滑らかで猿も滑り落ちるという意味、他にシマサルスベリ/島百日紅
○ サルマメ/猿豆(ユリ科)
○ サルトリイバラ/猿捕り茨(ユリ科)、他にヒメサルトリイバラ/姫猿捕り茨=ヒメカカラ

10.トリ(鶏)の付く花《6組14種》
 鶏の付く花はない。すべて鳥が付く植物である。鳥そのものは2組2種だけで、他は鳥から関連した事物の名が付いている。
●草本《4組12種》
○トリアシショウマ/鳥足升麻(ユキノシタ科)丈夫で真っ直ぐな茎を鳥の足に見立てたもの。
○トリガタハンショウヅル/鳥形半鐘蔓(キンポウゲ科)高知県の鳥形山から。。
○ヤマトリカブト/山鳥兜(キンポウゲ科)花の形が舞楽のかぶり物である鳥兜に似ているため。他に、イブキトリカブト/息吹鳥兜、タンナトリカブト/丹那鳥兜、ツクバトリカブト/筑波鳥兜、オクトリカブト/奥鳥兜、エゾトリカブト/蝦夷鳥兜
○ツチトリモチ/土鳥黐(ツチトリモチ科)根からトリモチが取れることから。他に、ミヤマツチトリモチ/深山土鳥黐、キイレツチトリモチ/喜入れ土鳥黐、ヤクシマツチトリモチ/屋久島土鳥黐

●木本《2組2種》
○ トリモチノキ/鳥黐の木=ヤマグルマ(ヤマグルマ科)樹皮からトリモチが取れることから
○ コトリトマラズ/小鳥留まらず=メギ(メギ科)枝に鋭い刺があることから

11.イヌ(犬)の付く花《46組65種》
 犬が付く花は最も多い。殆どが最初に犬を冠して、役に立たないという意味で使われている。
●草本《26組39種》
○イヌキクイモ/犬菊芋(キク科)塊茎が小さくて役に立たないことから
○イヌヨモギ/犬蓬(キク科)蓬に似ているが役に立たないという意味。
○イヌゴマ/犬胡麻(シソ科)利用できないところからついた。
○イヌショウマ/犬升麻(キンポウゲ科)
○イヌコウジュ/犬香儒(シソ科)
○イヌシロネ/犬白根(シソ科)
○イヌトウバナ/犬塔花(シソ科)
○イヌヤマハッカ/犬山薄荷(シソ科)
○イヌセンブリ/犬千振(リンドウ科)
○イヌタデ/犬蓼(タデ科)辛みがなく、役に立たないことから付いた。
○イヌトウキ/犬当帰(セリ科)
○イヌナズナ/犬薺(アブラナ科)食用にならないことから付いた。
○イヌカケネガラシ/犬垣根芥子(アブラナ科)
○イヌガラシ/犬芥子(アブラナ科)
○イヌノフグリ/犬の陰嚢(ゴマノハグサ科)果実の形が犬の陰嚢に例えたもの。他にオオイヌノフグリ/大犬の陰嚢、タチイヌノフグリ/立ち 犬の陰嚢。
○イヌビユ/犬?(ヒユ科)
○イヌホオズキ/犬酸漿(ナス科)役に立たない酸漿という意味。他にアメリカイヌホオズキ/亜米利加犬酸漿。
○イヌメドハギ/犬蓍萩(マメ科)カラメドハギの別名。
○イヌホタルイ/犬蛍藺(カヤツリグサ科)
○イヌクグ/犬莎草(カヤツリグサ科)
○イヌムギ/犬麦(イネ科)他にノゲイヌムギ/芒犬麦。
○イヌアワ/犬粟(イネ科)
○イヌカモジグサ/犬髢草(イネ科)
○イヌビエ/犬稗(イネ科)食用にならない稗という意味。他にケイヌビエ/毛犬稗、タイヌビエ/田犬稗がある。
○ ニッポンイヌノヒゲ/日本犬の髭(イネ科)他にヒロハイヌノヒゲ/広葉犬の髭、イトイヌノヒゲ/糸犬の髭。
○エノコログサ/狗尾草(イネ科)花穂を子犬の尻尾に見立てたもの。他に、ムラサキエノコロ/紫狗尾草、ハマエノコロ/浜狗尾草、キンエノコログサ/金狗尾草、コツブキンエノコロ/小粒金狗尾草、アキノエノコログサ/秋の狗尾草、オオエノコログサ/大狗尾草

●木本《20組26種》
○イヌコリヤナギ/犬行李柳(ヤナギ科)、役に立たないコリヤナギの意味
○イヌシデ/犬四手(カバノキ科)
○イヌブナ/犬椈(ブナ科)
○ イヌガシ/犬樫(ブナ科)
○ イヌビワ/犬枇杷(クワ科)、他にハマイヌビワ/浜犬枇杷、ホソバムクイヌビワ/細葉無垢犬枇杷
○ イヌグス/犬楠=タブノキ(クスノキ科)、材の質がクスノキより劣ることから
○ イヌザクラ/犬桜(バラ科)
○ イヌリンゴ/犬林檎(バラ科)
○ イヌエンジュ/犬槐(マメ科)、他にハネミノイヌエンジュ/翅実犬槐、シマイヌンジュ/島犬槐
○ イヌツヅラフジ/犬葛藤=ハスノカズラ(ツヅラフジ科)
○ イヌザンショウ/犬山椒(ミカン科)
○ イヌツルウメモドキ/犬蔓梅擬き(ニシキギ科)
○ イヌウメモドキ/犬梅擬き(モチノキ科)
○ イヌツゲ/犬黄楊(モチノキ科)ツゲに似ているが、材が役に立たないことから、他にアカミノイヌツゲ/赤実の犬黄楊、ナガバイヌツゲ/長葉黄楊=シマイヌツゲ/島犬黄楊
○ イヌガンピ/犬雁皮=コガンピ(ジンチョウゲ科)
○ イヌムラサキシキブ/犬紫式部(クマツヅラ科)
○ イヌニンドウ/犬冬忍=ハマニンドウ(スイカズラ科)
○ イヌガマズミ/犬がまずみ(スイカズラ科
○ イヌマキ/犬槇(マキ科)昔、スギを真木と呼び、それより劣ると考え付けられたことから
○ イヌガヤ/犬榧(イヌガヤ科)カヤに似ていて、それほど有用でないことから、他にハイイヌガヤ/這い犬榧=エゾイヌガヤ/蝦夷犬榧

12.イ(猪)の付く花《3組7種》
●草本《3組7種》
○ヒカゲイノコヅチ/日陰猪子槌(ヒユ科)茶褐色の膨れた節を猪のかかとに例えたもの。他にヒナタイノコヅチ/日向猪子槌、ヤナギイノコヅ チ/柳猪子槌
○シシウド/猪独活(セリ科)ウドに似て豪壮なことによる。他にミヤマシシウド/深山猪独活、エゾノシシウド/蝦夷の猪独活。
○シシキリガヤ/猪切り茅(イネ科)葉の縁で、猪でも切れそうだということから。ヒトモトススキの別名。

■岩湧山にある十二支の付く植物《44種》
 今まで挙げた十二支の名が付く野草95種のうち23種、樹木45種のうち21種を岩湧山で確認している。

●草本《23種》
○ウシタキソウ/牛滝草(アカバナ科)
○ウシハコベ/牛繁縷(ナデシコ科)
○オカトラノオ/岡虎の尾(サクラソウ科)
○ギンリョウソウ/銀竜草(イチヤクソウ科)
○ジャノヒゲ・リュウノヒゲ/蛇の髭・竜の髭(ユリ科)
○ヘビイチゴ/蛇苺(バラ科)
○ヤビヘビイチゴ/藪蛇苺(バラ科)
○ウマノアシガタ/馬の脚形(キンポウゲ科)
○ウマノミツバ/馬の三つ葉(セリ科)
○コマツナギ/駒繋ぎ(マメ科)
○イヌコウジュ/犬香儒(シソ科)
○イヌトウバナ/犬塔花(シソ科)
○イヌタデ/犬蓼(タデ科)
○イヌホオズキ/犬酸漿(ナス科)
○アメリカイヌホオズキ/亜米利加犬酸漿(ナス科)
○オオイヌノフグリ/大犬の陰嚢(ゴマノハグサ科)
○タチイヌノフグリ/立ち犬の陰嚢(ゴマノハグサ科)
○ヒカゲイノコヅチ/日陰猪子槌(ヒユ科)
○ヒナタイノコヅチ/日向猪子槌(ヒユ科)
○エノコログサ/狗尾草(イネ科)
○ムラサキエノコロ/紫狗尾草(イネ科)
○キンエノコログサ/金狗尾草(イネ科)
○シシウド/猪独活(セリ科)

●木本《21種》
○ ネズミモチ/鼠糯(モクセイ科)
○ ウシゴロシ/牛殺し=カマツカ(バラ科)
○ ウシカバ/牛樺?=クロソヨゴ(モチノキ科)
○ アセビ/馬酔木(ツツジ科)
○ マテバシイ/馬刀椎(ブナ科)
○サルナシ/猿梨(マタタビ科)
○ エンコウカエデ/猿猴楓(カエデ科)
○ コトリトマラズ/小鳥留まらず=メギ(メギ科)
○イヌシデ/犬四手(カバノキ科)
○イヌブナ/犬椈(ブナ科)
○ イヌザクラ/犬桜(バラ科)
○ ハネミノイヌエンジュ/翅実犬槐(マメ科)
○ イヌザンショウ/犬山椒(ミカン科)
○ イヌツゲ/犬黄楊(モチノキ科)
○ イヌガンピ/犬雁皮=コガンピ(ジンチョウゲ科)
○ イヌガヤ/犬榧(イヌガヤ科)

■まとめ
 トリ/鶏以外は干支の名が付く植物がある。トリ/鳥を含めると、野草で67組117種、樹木で35組50種、全体で102組167種に干支の名が付けられている。名の付け方という意味から組数(同属で派生するもの全てを1組とする)でみると、イヌ/犬が圧倒的に多く、次いでウシ/牛、ウマ/馬が多く、トラ/虎・(トリ/鳥)・サル/猿・ネズミ/鼠、タツ/竜、ヘビ/蛇・イノシシ・猪、ウサギ/兎・ヒツジ/羊の順で多い。
 全体や一部の姿が似ている以外では、犬は役に立たない、牛と馬は大きい、鼠はごく普通と言う意味で用いられている。

干支が付く植物の組・種類数
干 支

野 草

樹 木

植 物
(組) (種類) (組) (種類) (組) (種類)
ネズミ(鼠) 4 7 2 3 6 10
ウシ(牛) 7 9 3 3 10 12
トラ(虎) 6 14 0 0 6 14
ウサギ(兎) 1 2 0 0 1 2
タツ(竜) 5 6 0 0 5 6
ヘビ(蛇) 2 6 1 4 3 10
ウマ(馬) 7 13 2 2 9 15
ヒツジ(羊) 1 1 0 0 1 1
トリ(鳥)* 4 12 2 2 6 14
サル(猿) 1 1 5 10 6 14
イヌ(犬) 26 39 20 26 46 65
イノシシ(猪) 3 7 0 0 3 7

合 計
67 117 35 50 102 167

 *トリ(鳥)は干支の鶏ではない。

(上田泰二郎)


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