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(上田泰二郎)
1.種子植物の構造 | |
1-1.花 | 1-2.葉 |
1-3.茎 | 1-4.根 |
2.種子植物 | |
2−1.裸子植物 | |
3.シダ植物 |
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【葉のつき方】 葉が茎に付着配列する状態は一般に規則正しく、この配列を葉序といい、1つの節に1葉ずつつく互生、二葉つく対生、3枚以上つく輪生がある。 |
【外部構造】 ふつう極性(茎の上部にはとなるべき芽が、下部には根となるべき芽が既に内在している)をもった軸状の構造で、地上に立ち、上方に生長しながら葉、枝、生殖器官などをつける。下部は根に連なる。発生的には茎は種子の中に含まれる胚の胚軸から由来したもので、その先端の生長点の働きによる細胞の増殖と生長点より下部の細胞の伸長によって生長する。茎の先端の生長点は根の生長点と異なり、露出していることが特徴で、細胞の増殖を行いながら、葉や枝、生殖器官などを作り出し、また、内部では茎特有の内部構造が分化している。茎には1,2年で枯死する草本と、第二次肥大成長により長年にわたって太く発達する木本とがある。いずれの場合も葉の付着点を節といい、節と節の間を節間という。通常、葉の付け根には腋芽があり、これは枝に発達する。また、茎につく葉の位置には規則性が見られ、それを葉序という。節間は伸長しない場合もあり、草本の場合、地表面に葉を広げ、ロゼットと呼ばれる(タンポポ)。 【分類】 茎は一般には地上に発達するが、地下に伸びる地下茎もある。地上茎にも地下茎にもいろんな変化が見られる。例えば地上を這って生長する匍匐茎(イチゴ、ユキノシタ)、つる植物のように茎で他物に巻き付いて生長するもの(アサガオ、インゲンマメ)、茎が変態して巻きひげとなるもの(カボチャ、ブドウ)、茎が棘のように変わる場合(サイカチ、カラタチ)、葉のように平らになる場合(ナギイカダ、カニサボテン)、また葉が退化して茎が同化作用を行いようになったり(トクサ、サボテン)、肥大して貯水組織をもち砂漠などの乾燥地に適した構造となったもの(サボテン)などがある。一方、地下茎では地中を横に生長する根茎(ハス、ハラン)、肥大して養分の貯蔵器官となった塊茎(ジャガイモ、キクイモ)や球茎(クワイ)、節間が短縮して多肉の鱗片葉を密生した鱗茎(ユリ、タマネギ)などがある。 |
【内部構造】 茎の構造は植物の種類によって非常に異なっているが、一般に外側は表皮組織でおおわれ、葉のような気孔が散在する。中心には髄があり、その周囲には維管束組織がある。表皮と維管束の間の柔組織は皮層と呼ばれる。表皮系を除いた内部の基本組織と維管束をまとめて中心柱という。シダ植物では中心柱の外側に一層の内皮が他の植物よりはっきりしているため、中心柱は明らかである。中心柱には次のようにいろいろな形がある。 (1) 原生中心柱 維管束は単一で、中央から木部、師部、内皮がある。シダ植物の若い茎、ウラジロ、カニクサなどに見られる。 (2) 管状中心柱 維管束が管状になっていて、管状の木部の内側と外側とに師部と内皮とがある。シダ植物の大部分に見られる。 (3) 真正中心柱 多くの並立維管束が管状に並び、一つの共通の内皮で取り巻かれる。シダ植物のトクサ類、裸子植物、被子植物の双子葉植物に見られる。 (4) 不整中心柱 並立あるいは包囲維管束が不規則に散らばり、一般に内皮を欠く単子葉植物の茎に多く見られる。 (5) 放射中心柱 木部と師部が交互に独立して配列し、周りを内皮が囲む。そのため断面が放射状を呈する。シダ植物中のヒカゲカズラ類とすべての植物の根に見られる。 皮層には葉緑体を含み同化組織となっている場合が多く、また繊維、厚膜組織、厚角組織などが発達したり、樹脂道、乳管、結晶細胞などを含むこともある。形成層が発達し、年々茎が太く生長する木本植物では、一般に最初にあった表皮は破れ、表面には気孔の代わりに皮目と呼ばれる小孔芽できる。 |
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