<登山道の草刈り保護活動> 03.09.21

 岩湧山では、年2回、国定公園の管理のため、ダイヤモンドトレールなどの登山道で草刈り(枝打ちを含む)が行われています。秋の草刈りは丁度、繁茂したところを刈り取るため、様相が一変してしまいます。1999年、2000年の9月の定例観察会では、花が殆どなくなってしまったことに非常に落胆し、来年は何とかしたいという参加者の意見が多く出ました。クラブでは、登山道の安全の確保、進出する草木の防止のために行われていたのですが、都市公園のように綺麗にするのではなく、山間の自然公園らしく植物と共存することが望ましいと考え、大阪府レッドデータブックに掲載された絶滅危惧種、岩湧山では数少ない貴重な種類、登山道を彩る美しい花などを保護することにしました。草刈りの発注者である南河内農と緑の総合事務所緑地整備課に相談し、草刈りをする業者への保護活動への配慮、道具の貸与などの協力を得て、さらに岩湧の森を管理する河内長野市四季彩館の職員の助力も得て、登山道の草刈り保護活動を実施できました。今後も継続して行きたいと考えています。

2001年度

2002年度

2003年度


2001年度草刈り保護活動

(1) 準 備

調 整−−保護活動にかかるまでの調整
・ 2000年9月中旬、南河内農と緑の総合事務所緑地整備課に登山道の草刈りから植物を保護したいという申し入れをする。概ねの了解を得る。
・ 10月定例観察会で、保護活動を行うことを決める。
・ 11月定例観察会で、試案を示す。
・ 12月定例観察会で、11月の意見を踏まえた概案を示す。
・ 12月中旬、試案をもって総合事務所と話し合いをし、了解を得る。総合事務所の委託契約(ダイトレ部分)の中に配慮を盛り込む予定と聞く。
・ 2001年6月中旬、テクロードに指定されたいわわきの道で草刈りが行われた。<草刈りがダブるので統一すべきと思われる。>
・ 秋の草刈りからの保護に向けて、7月定例観察会で、実施案を示す。
・ 8月初め、カヤ原のダイトレで草刈りが行われた。<この結果、殆どの草の背丈は人の膝以下程度までで、例年のように繁茂せず、この時期なら年1回で済むと思われる。>
・ 2001年8月定例観察会で、7月の意見を踏まえた実施案を示し、参加者の了解を得る。8月26日岩湧の森で草刈りが実施されると聞き、19日に実施することを決める。岩湧の森内は四季彩館を通じて、草刈り時の配慮をお願いし、職員が当日、同行して頂くことになる。
・ 8月上旬、国定公園に関係する南河内農と緑の総合事務所緑地整備課、河内長野市商工振興課・農と緑の整備課に草刈りの実施とその内容を伝える。
準 備−−保護活動の準備作業
・ 2000年12月下旬、岩湧の森内の竹林に行き、南河内農と緑の総合事務所緑地整備課にお願いした長さ2.5m内外に切った12本ほどの竹を譲り受ける。四季彩館デッキに保管する。
・ 2001年6月定例観察会の後で、参加者で1m内外の長さに鋸で竹の切断をする。
・7月定例観察会の前に、各自持参した鉈を使い5〜10cmの幅で竹を割り、さらに竹の先端をV字にカットし、竹の加工を行う。自宅で加工をお願いしたものを含め、およそ120本を製作する。


鉈で竹の先をVの字にカットしている

(2) 草刈りと支柱等の設置

日 時−−2001年8月19日(日曜)9時〜16時
参加者−−7名
場 所−−いわわきの道〜行者の道〜見晴らしの道(入口のみ)
作 業−−周辺の草刈りと支柱となる竹の設置
・ 保護する植物の周辺を南河内農と緑の総合事務所から借りた鎌などで草刈りし、持参した竹の支柱を立て、梱包用の白いビニールテープで結わえた。保護する植物がまとまっている場合は四隅に竹を立て、テープで囲んだ。
・ 保護した箇所は約40箇所、使用した竹の支柱は60本ほどで、予め作った竹のうち40本を持参し、20本は現地調達した。
・ 沿道のトモエソウ(絶滅危惧1類)、アケボノソウ、ナンバンハコベ、ナベナ、フジカンゾウ、ウバユリ、マムシグサ、ササユリ(国定公園伐採禁止植物)、ヤマジノホトトギス、タニタデ、ヤマゴボウを専ら保護し、フジウツギ、オトコエシなどで目を引くもの、クサアジサイ、ホウチャクソウ、ミゾソバなどで群落として見事なものは保護した。
・ 基本的に、上田とNさんで保護するものを選択し、他の者が作業を行ったが、他の者の提案で保護する場合もあった。
・ 草刈り実施の26日にSさんが森林組合の人たちに付き添い、保護植物について説明する予定である。
・ 支柱は原則として保護植物が種子を付けるまで残し、クラブの定例観察会で取り除くことにした。
・ 南河内農と緑の総合事務所から借用した道具は四季彩館に預ける。
コース別状況
○ いわわきの道(全コース)
 独立したウバユリ、マムシグサ、ヤマゴボウなど、少なくなったササユリ、ホトトギス類、タニタデ、フジカンゾウ、に支柱を立てる。クサアジサイやホウチャクソウのまとまり、ミゾソバの群落、ここだけにしかないナンバンハコベをナベナとともにテープで囲う。持参した支柱がなくなったので、竹林で竹2、3本を加工し支柱30本ほどを製作する。
○ 行者の道(全コース)
 トモエソウを2株、フジウツギについては道沿いのもの、ホトトギス類、ササユリ、マムシグサ、クサアジサイのまとまりを保護する。倒木の枝打ちなどもついでに行った。
○ 見晴らしの道(入口の谷部分)
 トモエソウを1株、アケボノソウを2株保護する。
課 題
・ 森林組合の人たちの反応を聞いて、来年以降の課題とする。
・ 草刈りに我々が参加し説明したり、逆に、森林組合の人が我々の保護活動に参加することで理解を深められる。
・ 竹の支柱は用意した120本のうち40本持って行ったが20本ほど不足した。多めに持って行く必要がある。
・ いわわきの道だけで午前中を費やしたが、他は意外にスムースに運び、時間に余裕があった。カヤ原など対象が増えた時など、より効率的に行う必要がある場合は、3名くらいのグループに分かれて行うことも考えられる。
・ 白のビニールテープより赤など派手な方が目に付きやすい方がよい。

ナンバンハコベ等を囲む

竹の支柱を現地調達

周辺を鉈釜で刈り込み、支柱を立てテープで囲む

(3) 支柱等の撤去

日 時−−2001年9月2日(日曜)9時〜16時
参加者−−14名
場所・作業−−いわわきの道での支柱等の撤去、カヤ原の支柱の設置
・いわわきの道については、孤立化したためステッキ等でへし折られる危険性があるものを除いて、支柱の竹、結わえたビニール紐は撤去した。
・行者の道と見晴らしの道(入口)については、近々、クラブのメンバーが個別に撤去する予定である。
・ カヤ原については、2度目の草刈りが行われる予定と聞き、農と緑の総合事務所のアドバイスを聞いて保護することにし、大阪府RDB絶滅種ノカラマツ(3カ所)、ワレモコウ(1カ所)、ヒキオコシ(2箇所)について、(周りの草を刈らず)周りを囲むように竹を立た。
・これについても草刈り実施を確認後、クラブのメンバーが撤去する予定である。
評価・課題
・いわわきの道を見ると、四季彩館の協力もあり、保護した植物は勿論刈り残され、その他についても配慮されていた。
・白いビニール紐は不自然とのハイカーの反響があり、来年は紐を自然素材(縄等)にする、紐は使わず竹の支柱で囲うなど、再検討する。

ウバユリだけでなく、マツカゼソウも残されていた

ワレモコウの前面を竹で囲む

ノカラマツを保護

(4) 支柱の撤去
日 時−−2001年10月7日(日曜)8時〜9時
場所・作業−−見晴らしの道・行者の道での支柱等の撤去
・観察会の前に見晴らしの道、行者の道の保護した植物の支柱と紐を撤去する。ウバユリなどの孤立するものは折られる危険性が高いのでそのままとし、背の低いものに付けた支柱等を撤去し、持ち帰る。
評価・課題
・保護したトモエソウが見当たらず、刈られた模様である。紐を鮮やかにしてより明確にする必要がある。
(5) 支柱の撤去、ノカラマツの栽培
日 時−−2001年11月4日(日曜)8時〜16時
場所・作業−−見晴らしの道・行者の道、カヤ原での支柱等の撤去、
・観察会の前に見晴らしの道、行者の道の保護した植物の支柱と紐を撤去する。
・観察会の中で、カヤ原の支柱等を撤去する。ノカラマツの種子を一部だけ採取する。
・採取したノカラマツの種子から栽培しできれば増やして頂くよう四季彩館にお願いする。栽培は絶滅した場合のためである。
評価・課題
・支柱のなかったアケボノソウは折られていた。背の高い植物の支柱は枯れるまで残置する必要がある。


2002年度草刈り保護活動
(1) 草刈りと支柱等の設置
○参加者
−−5人
○実施日−−8月18日(日曜)9時〜15時
○ルート−−いにしえの道〜いわわきの道(竹藪まで)〜行者の道〜いにしえの道
○道具等−−鉈鎌(南河内農と緑の総合事務所から)、加工した支柱となる竹・シュロ縄・軍手(クラブで用意)
○総 括
・ 周辺を鉈鎌で草刈りし、竹の支柱を立て、シュロ縄で結わえた。まとまっている場合は周りに竹を立て、テープで囲んだ。今年は竹に黒マジックで名称を記入し、植物への愛着を普及することも併せて行った。
・ 保護した箇所は約30箇所、使用した竹の支柱は50本ほどだった。7月7日に行われた草刈りのため、保護対象の植物が少なく、植物も余り茂っていなかった。
・ 沿道のナンバンハコベ、ナベナ、フジカンゾウ、マムシグサ、ヤマジノホトトギスなどを草刈りから保護し、オトコエシ、クサアジサイなどは啓蒙と草刈り保護のため一部だけ保護し、マルミノヤマゴボウ、ヤマトウバナ群生地、ツルリンドウなどは啓蒙のため、トモエソウなどは発育を促進するため、保護した。
・支柱は種子ができた後、観察会等で持ち帰る。植物が朽ちるまで残置し、来年もそのまま使用することも検討する。
○実施状況
・ いわわきの道(18カ所)
マムシグサ2、フジカンゾウ1、ヤマジノホトトギス2、ナルコユリ1(以上すべて)、ササユリ1(四季彩館保護以外のもの)、アキノタムラソウ1(群生)、オトコエシ2、マツカゼソウ1、ヘビノネゴザ1、ウスノキ1・スノキ1・ナツハゼ1(以上一部のみ)、岩の床付近のナンバンハコベ群生地1と上部が折られたナベナ2と併せてテープで囲う。ナベナ用に長尺の竹を竹藪から採取する。
・ 行者の道(10カ所)
トモエソウ(絶滅危惧)2、マルミノヤマゴボウ1、ヤマジノホトトギス1、クサアジサイ1、コガクウツギ(群生地)1、タニタデ(群生地)1、ナルコユリ1.ツルリンドウ1、ヤマトウバナ1(群生地)を保護する。
・ いにしえの道(5カ所)
フシグロセンノウ2(すべて)、マルバノホロシ1、ヌスビトハギ1(一部)、フジカンゾウ1は説明用も兼ね保護する。
・ 見晴らしの道(林道から谷どんつきまで)
下見で該当するもの(トモエソウは既に支柱があり)はなく、除外する。
○評 価
・ 保護作業は比較的長い時間が要さず、自然観察する余裕を持ちながら行えた。
・ 保護だけでなく、名前を書くことによって、啓発活動を行えた。今後、反響を見たい。
・ 7月の草刈りでヤマゴボウなどが影響を受けた。6月中旬でも支柱立てを行うことも考えられる。
・ 観察会の際に支柱立てを行って方法も考えられる。背丈の低い植物に名を書く場合は短い竹が必要。
○その他
・ カヤ原は遊歩道整備により沿道草刈りの必要ないと思われる。ワレモコウの支柱設置は9月観察会で行う。

ナンバンハコベの群生に竹の支柱を立てシュロ縄で囲む

手前は添え木をしたナベナ、奥は竹杭で囲んだナンバンハコベの群生

竹杭に名前を書く

ヘビノネゴザ(シダ植物)にも名札を付ける

(2) 支柱等の設置

日 時−−2002年9月1日(日曜)9時〜16時
参加者−−15名
場所・作業−−カヤ原の支柱の設置
・ カヤ原については、、ワレモコウ(1カ所)、大阪府RDB絶滅種ノカラマツ(1カ所)について、周りの草を少し刈り、囲むように竹を立てた。
・草刈り実施を確認後、クラブのメンバーが撤去する予定である。
ワレモコウ(去年より株は大きくなった)
ノカラマツ(去年の2箇所から1箇所に減った)

2003年度草刈り保護活動

(1)いわわきの道の 草刈りと支柱等の設置
○参加者
−−5人
○実施日−−2003年6月14日(土)(日曜)9時〜12時
○場 所−−いわわきの道(ダイトレ交差点まで)
○道具等−−鉈鎌(南河内農と緑の総合事務所から)、支柱・リボン等(四季彩館より)
○作 業−−いわわきの道の22日予定の草刈りから、一部の植物(ササユリ、ヤマジノホトトギス、アカショウマ、マムシグサ、トチバニンジン等)を守るため、保護活動(周辺を草刈り、緑のポールを立てる、目印となる紐・リボンで止める、材料・鎌は四季彩館より調達)を行う。

トチバニンジンの周りを刈り、紐を巻く

ササユリの周りを刈り、にリボンを付ける

(2) いわわきの道の リボン等と支柱等の回収
日 時−−2003年7月6日(日曜)10時〜12時
参加者−−7名
場 所−−いわわきの道〜行者の道〜見晴らしの道(入口のみ)
作 業−−草刈りが終わり、6月14日設置したリボン、支柱等が目立つため、それらを回収する。
評 価−−保護した一部の植物が草刈りから概ね免れたように見える。

刈り残されたクサアジサイのリボンを回収する
(3) 秋の草刈りからの保護活動
日 時−−2003年8月23日(土曜)午前9時集合〜午後4時解散
参加者−−5名
コース−−四季彩館〜いにしえの道〜いわわきの道〜急坂の道〜四季彩館(観察会コース)
作業内容
・ 保護すべき植物の周りを四季彩館より借用した鉈釜で刈り取り、同じく借用した緑の支柱を立てた。群生、数株まとめての場合は紐で縄張りした。
・ いわわきの道では、クサアジサイ、ナンバンハコベ、ササユリ、マムシグサなど(15ヶ所くらい)
・ カヤ原、山頂近くのワレモコウ(1ヶ所)

ワレモコウの保護


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