花の命は花のもの!取らない・盗らせない!

月定例観察会の報告》 16.04.13

【日 時】2016年4月16日(土)
【天 候】曇りのち晴れ
【参加者】
【コース・時刻】

9:00(四季彩館)9:30-↑-9:52いにしえの道-↑-10:28いわわきの道-↑-12:21ダイトレ-↓-(五つ辻)-↑-林道-↑-12:55岩湧山-↑-15:14ダイトレ-↑-15:23きゅうざかの道16:14-↓-16:19(四季彩館)

【観察した植物】
草の花40種、木の花11種(「4月定例観察会で観た植物」参照)


○四季彩館

 今日の観察会の天気は良さそうだ。参加者は桑田さんのシニア自然大学の仲間、Sさんが初参加、もう一人、大阪市内からの初参加のNさん、それに常連のMさんと私の5名だ。

 今月はスミレがテーマ。無茎種、有茎種に分けて、草や花の構造、似た種の違い等を,資料を使って説明する。今日は何種観られるか楽しみだ。

 今日は、いつものコース、時計回りに回って山頂まで行く。

○四季彩館周辺

 四季彩館の下は日が当たるので草花が多い。最初のスミレはタチツボスミレ(立ち坪菫)、日本で一番多く見られるスミレだ。薄紫色の花に鮮やかな緑色のハート形の葉。
 カキドオシ(垣通し)の花は残るが、今は茎が地面を這って伸びる時期だ。垣根を通り抜けるほどに伸びるという。

 何年か前の観察会でも見かけたが、フデリンドウ(筆竜胆)の青い宝石のような小さな花を見つける。3輪もあり、とてもラッキーだ。


タチツボスミレ(立ち坪菫)

フデリンドウ(筆竜胆)

○いにしえの道

 日蔭に入ると直ぐに、ナガバノタチツボスミレ(長葉の立ち坪菫)。日向を好むタチツボスミレとは生育適地が違う。茎が伸びれば、茎葉の細長い葉でタチツボスミレと区別がつく。

 暗いところで見るシャガ(射干)は不気味だが、花単体で見るとアヤメ科の花、綺麗だ。

 アブラナ科タネツケバナ属のマルバコンロンソウ(丸葉崑崙草)、くすんだ緑色の葉は丸く、茎はか細い。仲間のオオバタネツケバナ(大葉種漬け花)は、頂小葉が特に大きく、鮮やかな緑色の茎や葉はしっかりしている。

 ナガバノタチツボスミレの花色はニオイタチツボスミレとタチツボスミレの中間の濃さと言うが、濃くない花もある。おしとやかな色だ。


ナガバノタチツボスミレ(長葉の立ち坪菫)
いわわきの道

 アオキ(青木)の雄株と雌株が近くにあり、比べやすい。雄株の花序は高く大きく、雄花に雌しべは無い。雌株の花序は低く小さく、雌花に雌しべは無い。

 変梃な花、ムロウテンナンショウ(室生天南星)が咲く。背丈が低いので雄株の雄花に違いない。葉が変形した、仏炎苞の中に先が緑色の付属体が覗く。下部の雄花の在処を虫に知らせているのだろうか。

 暗い森の中のシュンラン(春蘭)*は目立たない。だから取られずに残っているのかも知れない。背萼片、側萼片の緑色が綺麗だ。

 実がチャルメルに似ると言うチャルメルソウ(ちゃるめる草)の葉はくすんだ模様のある丸い葉が特徴。赤い小さい花もユニークだ。花弁が線状で三裂する。

 観察会で初めてヒトリシズカ(一人静か)に寄り道する。伐採で道が分かりにくくなっている。群生する白い花もユニーク。花弁は無く、花に見えるのは白い葯隔(半葯を繋ぐもの)が伸びたものだ。雌しべはその付け根にある。

 オオチャルメルソウ(大ちゃるめる草)の葉は細長いので大きいのだろうか。黄土色の花は七裂する。

 ワサビ(山葵)の花は終わりかけ。葉が多数、ちぎり取られて無残。小さな、数少ない株から取るとは人間は無慈悲である。

 白い小さな花が咲くツルカノコソウ(蔓鹿の子草)は走出枝(ランナー)を茎の高さより何倍も遠く、四方八方に出している。

 今年のウスバヒョウタンボク(薄葉瓢箪木)*の花は僅かしかない。誰かが独りよがりの善意で道にはみ出た枝を切ったためだ。側に保護の看板があり、悪意としか思えない。山での主役は人では無く、自然である。


ヒトリシズカ(一人静か)



○ダイトレ・林道
 遠くに赤い葉に満開のヤマザクラ(山桜)や白いタムシバの花が見える。

 ネコノメソウ(猫の目草)を見に行く。互生のヤマネコノメソウは多くの場所で見られるが、対生のネコノメソウは限られる。見事に群生する。ほかのネコノメソウと比べても、黄色い花はとても小さい。

 12時をかなり回って、日当たりの良い林道で昼食。Mさんにオカリナの演奏を依頼。昼食後の癒やしタイムで、定例化しつつある。

 日の当たる乾燥気味の斜面にはシハイスミレ(紫背菫)が咲く。葉に白い斑が入るフイリシハイスミレ(斑入り紫背菫)が多い。細い距をサソリの尾のように反転させる。

 湿った道端ではツボスミレ(坪菫)が咲く。有茎種で大きくなるため、図体の割に花は小さく白く、地味だ。

 白い花をぶら下げているのはナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺)。キイチゴ類の中でも実は美味しい。

ネコノメソウ(猫の目草)

フイリシハイスミレ(斑入り紫背菫)


ツボスミレ(坪菫)


○茅 場

 山頂広場に達すると、爆音がする。防火帯を降りてきて、オフロードバイクが林道を下っていった。林業等の関係者以外の自動車・二輪車は通行禁止の筈だが。

 スミレを求めて茅場を広がって登っていく。山焼き後、2週間なので花は殆ど無い。黄色のミツバツチグリ(三ツ葉土栗)がよく目立つ。

 漸く、ヒゴスミレ(肥後菫)*を見つける。一番の特徴は葉が線状に5つに深裂すること。大きめの白い花は可愛い。見慣れると、2つ、3つと見つかる。

 タチツボスミレの仲間では最も青紫色が濃いのがニオイタチツボスミレ(匂い立ち坪菫)だ。殆ど匂いを感じたことは無い。

 道端にはセンボンヤリ(千本槍)の小さな花。背丈は5〜10pほどととても小さい。秋の閉鎖花とは大違い。


ヒゴスミレ(肥後菫)*

センボンヤリ(千本槍)

 

○ダイトレ・きゅうざかの道

 今頃咲くのはウスゲクロモジ(薄毛黒文字)の花。花期の早いヒメクロモジは葉の展開前に咲くが、ウスゲクロモジは展開中に咲く。

 木の上で咲くアカシデ(赤四手)の花は遠目に色は赤っぽく、イヌシデ(犬四手)は黄土色っぽい。

 クロモジ属のカナクギノキも葉の展開と共に咲く。花は多く、葉とともに荒々しい感じがする。

 蔓性のトリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)*は地面近くを這う。薄黄緑色の半鐘型の花は目立たない。


トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)*

 

○四季彩館

 少人数だと時間が掛からないと思うが、むしろ丁寧に説明して、逆に時間が掛かる。予定時間より相当押している。

 開花植物をチェックする。スミレは10種観た。続いて、今日の観察会の感想を述べて貰う。2016年のカレンダーを配布する。

 前年度の活動結果と会計報告、次年度の活動計画の説明は割愛し、後ほど読んで頂くことにする。


【感 想】

 参加者の感想は概ね以下の通りでした。

  • シュンラン、トウゴクサバノオ、トリガタハンショウヅルは金剛生駒紀泉国定公園の指定植物で、採取に許可が必要とされる種です。

  • ウスバヒョウタンボク、ヒゴスミレは大阪府のレッドデータブックに掲載される保護上、重要な種です。

(文、画像;上田)


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