10.09.16
■シソ科イヌコウジュ属

 1年草、葉は単葉で鋸歯縁、花は花穂を作り、総状か腋生、萼は鐘形で5裂、花冠は小型で唇型、上唇は3裂し中央が大きく、下唇は先下へ込む。雄しべは上側の2個が完全で、下側の2個が退化した仮雄しべ、分果は球形、アジアに100数種類分布。

●観察コースのイヌコウジュ属

 観察コースには次の2種が見られる。やや乾燥した所に生えるイヌコウジュは、細かい毛が多く、葉はやや浅い鋸歯で数が比較的多い。ややしめったところに生えるヒメジソは、毛は殆ど無く節や稜だけにあり、葉はやや深い鋸歯で数は比較的少ない。

全体に細毛が多い─鋸歯が浅く数が多い ─萼上唇が鋭く尖る  →イヌコウジュ
稜と節に毛がある─鋸歯が深く数が少ない─萼上唇が鋭く尖らない→ヒメジソ

●イヌコウジュ(犬香じゅ)

●ヒメジソ(姫紫蘇)

謂われ
漢方の薬である香需の原料になるナギナタコウジュに似て役に立たないことから シソを小形にしたような形

生育地

山野の道端

山野の道端や林縁

分布

北海道、本州、四国、九州

日本全土

全 体


花期9〜10月、茎の高さ20〜60cm、直立して分枝、全体に細毛が多い、紅紫色を帯びることが多い


花期9〜10月、茎の高さ20〜60cm、直立して多く分枝

花 序


上部の葉の基部は丸い、茎は毛で白く見える


上部の葉の基部は丸くない、茎は毛がないので緑に見える

花 茎

花茎に毛が密集

花茎に毛がない

唇形花、淡紫色、花冠は長さ3〜4mm、萼は長さ2〜3mm、上唇の切れ込みは深い

唇形花、淡紫色・白色、花冠は長さ4mm、萼は長さ2〜3mm、上唇の切れ込みは浅い


対生、卵形〜広卵形、長さ2〜4cm×幅1〜2.5cm、鋭頭で基部は楔形・やや円形、浅い鋸歯が6〜13対、表面に細毛


対生、卵状披針形〜長楕円形、長さ2〜4cm×幅1〜2.5cm、鋭頭で基部は楔形、粗い鋸歯が数対(画像は6対)、裏に腺点


四角形、全体に細毛


四角形、稜に下向きの曲がった短毛、節にも白い毛


注)山と渓谷社「野に咲く花」、「山に咲く花」などを参考としている。


(文・画像;上田)

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