ハエドクソウ(ハエドクソウ科ハエドクソウ属)蝿毒草
17.11.29

名の由来は根の有毒の煎汁でハエを殺したこと、汁を蝿取り紙に塗って蝿を付着させたことの2つがある。葉は対生し、茎等、上部の葉腋から長い花序を出す。ナガバハエドクソウは葉が下部に集中するのに対し、概ね均等に付く。
花序は花柄がないので穂状花序である。下では下向きに実となり、上では真横に向いて開花状態、天辺では蕾で上向きとなり、下から上に咲く無限花序である。
花を横から見る。白い唇形花の上唇と下唇の間に雄しべの赤い葯が覗き、下唇の上に白毛が生える。。花冠は萼筒に包まれ、萼の上唇の先は赤く尖っている。額の付け根に鱗片葉があり、下側が苞、両サイドが小苞と思われる。
上から見ると、白い花冠は上唇が赤味を帯び、より突き出た下唇は明らかに3裂する。萼筒の上唇の先が赤く、鋭く3裂する。苞は緑色だが、小苞は赤味を帯びる。
花を真っ正面から見る。花冠の上唇は2コブラクダのようになり、肩が出来ている。ナガバハエドクソウにはこの肩はない。下唇の喉部には白毛が生える。上唇は赤味を帯びる。奥には4つの葯が見える。
茎は節の上で膨らみ、紫色を帯びる。下向きの短毛が密生する。対生する葉柄の上下にも曲がった毛が生え、毛は上側に多い。
葉形はナガバハエドクソウの長卵形~長楕円形に対して広卵形~楕円形で、長くない傾向にある。基部はナガバハエドクソウの楔形と異なり、切形~心形で、心形になる傾向がある。 縁は丸味のある鋸歯縁である。ナガバハエドクソウの方が鋸歯が尖る傾向にある。
葉の裏は白っぽく、葉脈は突出する
上部の葉ほど柄が短くなるが、形は細長くなる。基部はハート形から切り形に変化する。ナガバハエドクソウは葉は細長く、楔形から円形に変わる。

inserted by FC2 system